【考察】『カントリーロード』から考える『耳をすませば』

アニメの中で主題歌が大きな意味を持っているものは多いですよね。

その中でも『カントリーロード』は

スタジオジブリ作品の『耳をすませば』で何回も取り上げられている珍しいパターンの主題歌です

created by Rinker
¥2,739 (2024/10/07 22:28:30時点 楽天市場調べ-詳細)

この記事では、その歌詞が本編の内容を反映しているよ!という考察をしています。

あまりされている考察ではないので、
ジブリ好きな方はきっと楽しめると思いますよ!

原詩

映画の冒頭ではオリビア・ニュートン・ジョンの歌うカントリーロードがサビだけ流れます。

歌詞①−原詩

Country roads, take me home

To the place I belong,

West Virginia, mountain mamma,

Take me home, country roads

『Take Me Home Country Roads』John Denver

まるで音楽でいう変奏曲のように、この原曲が物語に沿って変わっていきます。

雫の翻訳

主人公の月島雫はこの『Take ME Home Country Roads』の和訳にチャレンジしています。

友達にせがまれて、まだ納得いってない様子で出した歌詞が次のものです。

歌詞②−ほぼ直訳

白い雲 湧く丘を

泣いてのぼる 坂の道 

古い部屋 小さな窓

帰り待つ 老いた犬 

カントリーロード 遥かなる

故郷へ 続く道 

West Virginia 母なる山

懐かしい 我が町 

後半の青字部分はまだまだ原詩直訳の様な歌詞です。

ウェスト バージニアはそのままですしね。

それもあって、雫はまだ見せたくない素振りをしたのでしょう。

二行目の「坂の道」は自分の住んでいる「多摩ニュータウンの坂」を表しているのでしょうか。

雫さんはこの後も自分の心情や状況を歌詞にガッツリ投影させていきます。

閑話

途中で、聖司くんに小馬鹿にされてしまうあの歌詞が出てきます。

歌詞③−コンクリートロード

コンクリートロード どこまでも 

森を切り 谷を埋め 

West 東京 Mt.多摩 

故郷は コンクリートロード 

クスッと笑ってしまう、皮肉の効いたいい歌詞だと思いますけどね(笑)

実はこの『コンクリートロード』と『もののけ姫』に関連もあるのですが、

それはまたの機会にしておきます。。。

雫の気持ち

雫が地球屋に行った次の日に見せている歌詞が次のものです。

歌詞④−気持ちを歌詞に

カントリーロード この道

ずっと ゆけば

あの町に 続いてる

気がする カントリーロード 

一人で 生きると 何も持たず

町を 飛び出した 

さみしさ 押し込めて

強い自分を 守っていた 

ここで、上四行の青字はエンディングまで変わらないものになりました。

歌詞②の青字ではほぼ原詩ままだったのが、改善されています。

あの町』は地球屋のある町の事でしょう。

地球屋で西さんから聞いた、ドワーフの王とエルフの女王の話もモチーフになっていそうです。

また、下四行の赤字は映画内では歌わずに朗読だけしています。

節回しがまだできていなかったんですね。

次の歌詞の冒頭四行の赤字と比べると、ほぼ同じ歌詞になっています。

雫の試行錯誤が読み取れる部分です。

そして翌日、聖司くんのバイオリンを伴奏に雫が歌う有名なシーンの歌詞です。

歌詞⑤−聖司とのセッション

一人ぼっち おそれずに

生きようと 夢みてた 

さみしさ 押し込めて

強い自分を 守っていこう

カントリーロード この道

ずっとゆけば あの町に 続いてる

気がする カントリーロード 

どんな さみしい 時だって

決して涙は みせないで 

心なしか歩調が 早くなっていく

想い出 消すため  

カントリーロード この道

故郷へ 続いても 

僕は 行かないさ

行けない カントリーロード 

カントリーロード 明日は

いつもの 僕さ 

帰りたい 帰れない

さよなら カントリーロード 

ここの段階で雫の翻訳は「ほぼ」完成しています。

唯一エンディングと違うのは緑字にしている『さみしい』の部分ですが、

エンディングや世の中に出回っている歌詞では『くじけそうな』に変更されているのです!

このことは意外と知られていないのではないでしょうか。

本などでも私は見たことがないです。

そして、これは

聖司くんとのギャップに悩む雫」と

小説を書ききる経験をした雫

の心情の差が出ていると思います。

まとめ

雫は物語の中で色んな人と出会ったり、恋をしたり、物語を書いていく中で、成長をしています。

それに伴って、『カントリーロード』の歌詞も変わっていく所も映画の楽しみ方の一つかなと思います。

エンディングも入れると計6回、しかも歌詞が代わりながら流れているのはビックリですよね!

次に『耳をすませば』を見られる際にはぜひ気にしてみてください!

最後に歌詞⑤とほぼ同じですが、エンディングの歌詞も載せておきます。

歌詞⑥−エンディング

一人ぼっち おそれずに

生きようと 夢みてた 

さみしさ 押し込めて

強い自分を 守っていこう

カントリーロード この道

ずっとゆけば あの町に 続いてる

気がする カントリーロード 

どんな くじけそうな 時だって

決して涙は みせないで 

心なしか歩調が 早くなっていく

想い出 消すため  

カントリーロード この道

故郷へ 続いても 

僕は 行かないさ

行けない カントリーロード 

カントリーロード 明日は

いつもの 僕さ 

帰りたい 帰れない

さよなら カントリーロード

それでは、さよなら〜

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA